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人形が夢見るは如何なる未来か(5) ーブルディカの記憶ー

 冷たい刃は、ほんの少し力をいれただけで喉に食い込むだろう。突きつけられた男は、それを痛感した。
 視線を鉄格子に移すと、小さな物体がちょこんと置いてある。緑色のぬいぐるみだとわかるまで数秒を要した。
 それが自分で動き出すとは!
 しかし、そのぬいぐるみに驚いたのは男だけではなかった。
 「なぜお前がここに・・・?」
 檻の中でリュミエールが声を出した。
 「創造主の後を追いかけてくれた。おかげで辿り着けたよ」
 魔法使いの張が説明した。途中あちこち寄り道されて困ったけどね、と付け足した張の手にした杖には、いつでも魔法が放てるように魔力を込めている。
 「二人を檻から出してもらおう」
 静かに本物が言った。
 偽物が配下に目で合図し、配下の一人が鉄格子を開ける。その足元を小さなぬいぐるみが走り回っていた。
 「エルフの洞窟で、ラスタバドの暗殺部隊はすべて片付けたつもりだったが」
 ブルディカの問いに、睨みつけることで答えた偽物は奥歯を噛み締めた。
 リュミエール達を外に誘導しながら、張は一緒に部屋を出る。
 「ここから先は、錬金術士達には酷な場面になるかもしれん」
 瞬間、偽物の腹部に痛烈な痛みが走り、部屋の壁に吹き飛ばされた。
 腹部にブルディカの蹴りが入った、と理解できたかどうか。
 「ここにいるだけが私の部隊だと思っているのか?」
 吐き捨てるように言いながら偽物が立つ。
 「外に逃したから、といって安全だとは思ってない」
 ブルディカが手にした剣を構え、部屋の中を見回した。
 偽物に、武器を手にした配下が三人、床に転がっているのが二人。
 「少なくともあと二人、一部隊を編成するには必要だ。それがラスタバド暗殺部隊の教えだから」
 さて、とゆっくりと体制を低めにすると、ブルディカがその両手にした剣を突き出す。
 「おとなしく投降するか、洞窟の仲間の元に行くか。自分達で決めるといい」
 「もちろん」
 偽物もその手に剣を構えた。
 「お前を殺し、魔法使いも殺し、錬金術士達を取り戻す」
 配下が床に寝ている仲間を足で起こす。
 蹴られた配下が頭を振りながら気を確かにしていくのを、ブルディカは止もしない。
 「お前の首を持って帰ったなら、スレイヴ様もお喜びになる」
 「スレイヴが?・・・そうか、彼が軍団長に」
 ブルディカの気が緩んだのを察知した刹那、暗殺部隊が一気にブルディカを襲った。
 
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