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人形が夢見るは如何なる未来か(8)完結編 ーブルディカの記憶ー

 王都警備部隊の中でも国の安寧を揺るがしかねないような事態に対応する特殊部門「第六部隊」が、港の灯台に到着した頃には、すでに事態は沈静化された後であった。
 現場検証の為に封鎖された区域に、少し遅れて魔法研究機関「象牙の塔」の使者も合流し、リュミエール達が保護されるのを見て、ブルディカは若きアデン王からの依頼が完了したことを実感した。
 「ひとつだけ、聞かせてもらってもいいか?」
 ブルディカの問いかけに、リュミエールは頷いた。
 「その人形は一体・・・?」
 「これは、試作品なの。魔力を根源に動く魔法人形。孤独な冒険者の為に、勿論冒険に役立つような能力も機能するように研究してるところ。でも、出来れば必要な時だけ召喚できたりするように圧縮保管の方も同時進行で、なかなか難しいところなんだけどね。いつか、必ず完成させてみせるんだから」
 どう?可愛いでしょ?と最後に付け加えられたが、ブルディカは返答に困った。
 「落ち着いたら一杯奢らせてね」
 リュミエールの言葉に軽く頷いたブルディカは、両腕を拘束されて連行されるダークエルフ達を見た。
 彼らはこれから第六部隊らの本部にて、取り調べを受けることになる。が、簡単に口を開く連中ではないだろう。例え、拷問にかけたとしても。
 夕暮れ時のアデン港の風景は、騒々しい一日の終わりを告げるかのように、紅に染まっていた。


 王への報告は張が引き受けてくれた。第六部隊の取り調べ等も本来は受けるべきなのだが、張の肩書である宮廷魔導師という立場が、今回の出来事がそこらの事件とは一線を超えたものであることを理解するに十分であったようだ。
 沈黙の洞窟まで魔法で送ろう、とも言ってもらったが、それは辞退した。
 久し振りにアデンの各所を見て回りたい。そんな気持ちになったからだ。
 その足でそのまま、アデンの街を背に、ブルディカは帰路へとついた。


 
 後日、独房にそれぞれ捕らえられていた主犯達が何も語る事なく、首と胴体が離れた状態で発見された。
 口封じ、ではあるのだろうが、厳重警備の最深部にあるアデン警備部隊本部の独房それぞれに捕らわれたダークエルフ達を暗殺する手腕は、只者ではない。残された死体が唯一伝えることが出来たのは、それだけだった。
 本来ならば大問題になる事件である報告を提出するも、上層部からは不問とされた。
 現場を見た第六部隊の面々が、見事としか言いようのない切り口を見て、その胸に不安を覚えた。
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あとがき(という名の蛇足)

短編、という形からのスタートは、過去の作品の書き出しと同一。
ブルディカを主人公に何か書きたいな、という思いはあったけど、なかなかいい舞台が整わなかったので、今回の形になるまでは、そこそこの試行錯誤がありました^^;
もうひとつのNCブログの方にある作品は、ある程度の「書き直し」が必要となった為、ある意味で「下書き状態」になります。
ブルディカが、私のリネ関連脳内妄想小説の登場人物達と共に、一時的な平和を迎えたアデンにおいて繰り広げる冒険活劇(?)。
今後、新たな作品が生まれるのかどうかは保証しかねます^^;
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