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暗黒竜の胎動 序章 ー生命の樹物語ー

 歴史とは、限られた一部の者達によって紡がれ、記録として残されていく。
 だが、時の権力者にとって不都合が生じるような事実は、概ね削除されてしまう。
 それが、どれだけ大切な真実であっても。
 そのために、矛盾した歴史が数多く存在することになり、故に歴史学者は真実を求めて探求していく。

 だがー。

 神々の時代に遡るその歴史だけは、後世のどの時代においても、手を加えられる事はなかった。
 時には夢物語として。
 時には教訓として。
 
 そして、ギルタスという未曾有の危機を最悪の結果から紙一重で救った結果、アデン王国の人々は知るのであった。
 幼いころに母が読み聞かせてくれた絵本の世界が、本当に存在するのだ、ということをー。


 薄暗い集落のほぼ中心にある、大きめの造りの建物から、一人の老人が出てきた。すぐに、若い青年も後を追った。腕の部分に付けた篭手をなぞりながら、腰に備えた大剣を見る。つい今しがた、老人から託された物だ。
 「おおよその出来事は伝えた通りだが、話に聞くのと、目で見るのでは大きく異るであろう」
 老人が振り向いた。
 「神々の時しか知らぬ我らにとって、彼の地は新しきに満ち溢れておる」
 「はい、心得ております。プロケル様」
 「言葉は覚えたか?」
 「わかる限りは、全て」
 そうか、とプロケルと呼ばれた老人が、頷いた。
 「では、守護騎士として、その勤めを果たせ。整い次第、他の騎士も後を追わせる」
 「はい、プロケル様」
 次の瞬間には、薄暗い闇の中へその姿を消していた。
 しばらく闇を見つめていたプロケルが誰に言うでもなく、ぼそりと呟いた。
 「光の竜の加護を・・・」
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